♦パートナーの対して怖いという感情がわいてしまう。
♦いつも怒鳴られてばかりいる。
♦事実を捻じ曲げて解釈され、相手の怒りをかってしまう。
♦自分の気持ちや考えを伝えたいけど怖くて言えない。
♦私が悪いせいで相手を怒らせてしまっているのかもと自分責めばかりしてしまう。
♦行動を制限されている
上記に当てはまる方は、モラハラ環境にいらっしゃるのかも知れません。
モラハラの多くは、家庭内であったり、恋人同士2人きりの密室で行われます。
モラハラ加害者は、弁が立つ人も多く、まくし立てるように怒るので、相手の言葉をたたみかけられているうちに、被害者は思考力を奪われてしまいます。
客観的な判断力を失って、相手の主張が全て正しいかのように思い込んでしまうのです。
このような環境の中で、被害者が「自分はモラハラを受けているのではないかな?」という認識をするのは、とても難しいことです。
当事者同士しか居ない密室で起こるモラハラは、第三者からの助けが入るということもありません。
「もしかして、、、?」と思えたその違和感を大事にしてくださいね。

モラハラについては、知っているけれども、いざ自分事となると、好きな人や家族を否定的な目で見なければならないのですから、
情があるだけに、まさか自分が被害者だなんて、考えるだけでも抵抗を感じてしまう方もいらっしゃるかも知れません。
自分のことについて、客観的な判断をしていくのはそれほど難しいことでもあります。
この記事では、家庭内や恋人間でおこるモラハラについて、実際のご相談事例もご紹介しています。
今、あなたがおかれている環境や違和感について、正しく認識すること。
それが大きな一歩になります。
モラハラのサイン無視していませんか?
- 相手の機嫌を伺って言いたいことをのみこんでしまう。
- 機嫌が悪くないか顔色をチェックしてしまう。
- 相手が帰宅した音でビクッとしてしまう。
- 「怒られるんじゃないか。」と常に気になる。
- 家庭内でリラックスできていない感じがする。
- 不安感が強い。
- 相手に対して恐怖心を感じる。
上記のような心身のサインは、安心安全な家庭環境、恋人間ではおこらないことです。
ビクビクしたり、顔色を伺ってしまうのを、普通のこと、当たり前としないでくださいね。

相手の顔色を伺わなければならないとか、相手の機嫌をそこなってはいけないとか、相手を怒らせてはいけないって、少しでもそういう考えが頭をよぎって怯えている生活をしていませんか?
特に幼少期、機能不全家族の中で育ってきた人は、その環境が当たり前になっています。
なかには、自分が幼少期に育ってきた家庭環境よりは、”マシ”だから問題がないと勘違いしている方もいらっしゃいます。
また、そういう関係性の作り方しかわからないという方がいらっしゃいます。
つまり、「顔色を伺う」「相手の機嫌をそこねてはいけない」という行動や考え方の中で、幼少期から育ってきた方にとっては、相手との関係性において、
「顔色を伺う」「相手の機嫌をそこねてはいけない」という前提ありきでの関係性の作り方しかわからないのです。
こういった方は、無意識のレベルで、こういった環境を自ら作り上げています。

怒鳴り合うとか、喧嘩が絶えないとか、そういう関係性は、しんどくないですか?
今後も続けていきますか?
モラハラかどうかにかかわらず、自分が苦しい、辛いという相手や環境に身を置き続ける必要はないのですが、
なぜかそうしなければならないような感覚になっている方がいらっしゃいます。
これは、潜在意識レベルでやってしまっていることですから、心の根本の問題を解決しなければ、
結局は相手を変えても同じことの繰り返しです。
何度も繰り返す方というのは、本当に沢山いらっしゃいます。
何度も繰り返すうちに、こういった状況を受け入れ続けることを当たり前にしてしまいますし、過度の一般化により、”皆こんなものでしょ”というような思考になっていきます。
関係性が長くなるほど、危険ですし、繰り返すほどに危険です。
極端な例ですが、殴られても、なぜかこれは暴力ではないと思う方もいらっしゃいます。
- 殴られているけれど、私の場合は例外
- 経済的な自由を奪われているけれど、私の場合は例外
- 時々怒鳴られるけど、私の場合は例外
- 人格否定をされているけれど、私の場合は例外
なぜか、「私の場合は例外」としてしまうところに、自分自身のことを客観的に判断していくことの難しさを感じます。
小さな違和感や小さな我慢の積み重ねを許し続けた結果が「私の場合は例外」という認知の歪みに繋がっていきます。
家庭内で起こるモラハラとは?
モラハラとは、モラルハラスメントの略で、言葉や態度によって行われる精神的暴力のことです。
肉体的な暴力であるDVとは違い、外傷などが残らないため、周りも気づきにくいだけでなく、モラハラを受けている本人ですら、自覚を持てないこともあります。
”暴力は受けていないから、まだまし”、”このくらい当たり前のこと”などと、我慢を重ねて、苦しみ続けてしまう人が多いのです。
精神的な暴力は、時に肉体的暴力よりも心身に深い傷を与えることすらあります。
モラハラによる精神的ダメージは、じわじわと積み重なり、精神疾患を患ってしまう人もいます。
それほど、当人同士では、気が付きにくいのです。心の苦しさを感じながらも、どこの家庭でもあることだからと言い聞かせて、何年も我慢を重ねてしまうのです。
モラハラによる苦しみは、「どこの家庭でもあること」で、片付けてよいものではありません。

お友達に相談してみたけど、理解してもらえず、「もっと相手に感謝しなくちゃだめ。」と諭されてしまったというケースも過去にはお聞きしております。
こういった周りの理解のなさにより、モラハラの発見が遅れてしまいます。
周りの意見に納得感がなかったり、もやもやが残る場合は、自分の気持ちに蓋をせずにその感覚を大事にしてください。
なかには、カウンセラーや他の相談機関に相談に行ったけれど、”諭された”という経験がある方もいらっしゃるかも知れません。
あなたの中に、苦しさが残っているのなら、それを無視しないでください。

やっとの思いで相談をした場所でも理解されないというのは、とても悲しい思いをされたことと思います。
あなたが苦しいと感じているその感覚を一番に大切にしてくださいね。
そして、出来ればそこで心を閉ざして一人で我慢せず、他の場所にも相談に行く勇気をもう一度出してみませんか?
わかりにくいタイプのモラハラ
相手の言葉に攻撃性は感じられないけれど、一緒に居るのがとにかくしんどいというご相談をいただきます。
- とてもこだわりが強く自分の意見はまげてくれない。
- 急にスイッチが入ったように怒り出す。
- 共感性が全くない。
- なぞの正義感を振りかざしすぎる。
- 頭が真っ白になってフリーズしてしまう。
あえて言葉で表現するなら、このような感じです。
言葉でうまく表現しきれない、もやもや感が強い。友人に説明しても苦しさが全く伝わらない。
言葉で表現し難い、辛さがあります。
こういったケースの場合は、残念ながら周りに相談しても理解してもらえないケースの方が多いです。
発見が遅れてしまうことで、精神疾患を患ってしまうケースも
我慢に我慢を重ねた結果、精神疾患を患ってしまう方がとても多くいらっしゃいます。
あまり「もう遅い」と言う意味合いの表現は使いたくはないのですが、精神疾患を患ってしまってからでは、取り組んでいけるはずのことにも取り組めなくなってしまいます。
自分を取り戻す以前の問題になってしまうのです。
「まだ大丈夫」と言うのは、今が辛い状況であるということの証拠でもあります。我慢をしているからこそ、出る言葉なのです。
なぜモラハラは、気がつきにくいのか
モラハラは、ほとんどの場合、家庭内(当事者同士しかいない密室)でおこなわれます。
モラハラ加害者に、「お前が悪い。」と言われ、たたみかけられるように、あなたを責める(もしくはモラハラ加害者の自己正当化)の言葉のシャワーを浴び続けていては、被害者は思考力を奪われ、相手の主張が正しいのだと受け入れてしまいます。
また、現場を見ていない友人や家族には、その辛さが伝わらず
「気にしすぎている。」「思い込みだ。」
と、まるで被害者側に原因があるかのように責められてしまうことまであります。
このような状況で、被害者が自分のモラハラ被害について認識するのはとても難しいのです。
しかし、心の苦しさ、精神的な不安定差という形でサインが出てくるはずです。
人によっては、歯の噛みしめ癖、肩こり、頭痛、食欲不振、不眠というような形で、体がサインを出してくれるかも知れません。
家庭内や、パートナーと一緒に居る時間というのは、本来は安心安全であなたが一番あなたらしく笑える場所であるはずです。
漠然とした不安感や恐怖心があるというのは、決して当たり前のことではありません。

家庭とは本来、一番安心できて、安全な場所なのです。
ビクビクしなければならない。
相手の顔色をうかがわなければならない。
という環境は、おかしいということに、まずは、気が付いてくださいね。
学習性無力感に注意
パートナーとの関係性の中で、最初は相手へ自分の気持ちを伝えることが出来たり、理不尽なことを言われた時には、自己主張も出来ていたのに、相手へ主張すればするほど、強い罰を与えられ、言いくるめられ、責められ続けることを繰り返すと、反論すれば、さらに酷い目に合うという学習をします。
長期的にこのような環境に置かれると、何をしてもムダだと学び、努力をしなくなっていきます。これを学習性無力感といいます。
どんどん無気力になり、自分で判断が出来なくなって、相手に従っていればいいという思考になってしまうのです。
一度、このような無力感を感じてしまうと、そこから抜け出していくのはとても大変です。
状況がかなり深刻化してからでは、解決が難しくなってしまうことが沢山あります。
絡まった糸をほどくのは大変です。状況が拗れすぎる前に、取り組んでいきましょうね。
多くの人がモラハラに耐えてしまう理由
モラハラと言う言葉の認知が広がったことで、自分のいる環境を我慢しなくていいんだと気づける人がいる一方で、
私の場合は、モラハラに当てはまっているのだろうか?
という新しい悩みがうまれてしまうようにも思います。
手段と目的が反対になって、本来の悩みがすり替わってしまうことで、
モラハラかどうかの判断がつかないという悩みで泊まってしまい、結果的に、モラハラじゃないかもしれないからと現状の苦しさを我慢してしまうのです。
これでは、本末転倒です。
モラハラかどうかという事以上に大切にしていただきたいのは、今、辛い、苦しいと感じているあなたの気持ちです。
- 辛い、苦しいと感じているのに、なぜ我慢してしまうのか。
- 一方的に押し付けられる相手の価値観をなぜ鵜呑みにしてしまうのか。
あなたの人生は、あなたが幸せに生きるためにあります。
モラハラに当てはまらなかったとしても、それが辛い環境を我慢しなければならない理由にはなりません。
相手ではなく、今の関係性を受け入れてしまっている自分に目を向けていきましょう。
- なぜあなたは断れないのでしょうか?
- なぜあなたは辛い状況を受け入れてしまっているのでしょうか?
これまで十分苦しい思いをしてきたのに、相手がモラハラであるかどうかを過度に気にする方は注意が必要です。
苦しい思いをしてきたという自分の気持ちよりも、モラハラの当てはまるかどうかという評価の方が気になっているのです。
また、相手(加害者)の成育歴まで背負い込んで、相手もやりたくてやっているわけではないのではないかと、救いたくなってしまうことで、抜け出せない人もいらっしゃいます。
相手に加害の意思があるのか、意志はないのだけれど、結果的に加害をしてしまうのか、それは相手の問題なのです。あなたが背負える問題ではないということです。
ましてや、被害者と加害者という関係性になってしまった以上、あなたが救おうという行為は、状況によっては、共依存関係をますます深めていってしまうだけです。
まずは、ご自身が健全さを取り戻すことです。
自分が健全な状態にないのに、誰かを救うことは出来ません。
相手との境界線がうまく引けず、相手の問題まで背負い込み、助けてあげたいと思ってしまう方は注意してくださいね。

「助けたい」という思いが強い人には、助けられる”誰か”が必要です。
パートナーシップ間だけでなく、職場や友人関係でも、ダメな人を作り上げて、助けてあげるということを繰り返してしまう人もいらっしゃいます。
周りにダメな人が多いと感じる人は、自分がダメな人にしてしまっているのかも知れないという可能性もあるということです。
相手のために尽くすことが、必ずしも相手のためになっているとは限らないのです。

誰かを助けているように見えて、助けることに依存をしてないでしょうか?
結婚生活に我慢と忍耐は必要ありません
日本には、古くからの亭主関白文化や、我慢を美徳とする文化がありますが、これを真に受けてはいけません。
結婚生活に、我慢と忍耐は一切必要ありません。
我慢と忍耐の関係ではなく、思いやりと歩み寄りの関係を作っていきましょう。
ここで問題になるのが、我慢癖がある人です。モラハラ被害者さんは、我慢癖がついている人がとても多いのです。
勝手に我慢を重ねることで、相手との関係性を我慢と忍耐の関係性に作り上げているケースもあります。
このような場合、目の前のモラハラ加害者と別れたとしても、次の相手との関係性の中でも、我慢と忍耐の関係を自然と作ってしまいます。
本当の問題は、目の前のモラハラ加害者ではないということです。
一度、自分自身にも目を向けていきましょう。
今の関係性を相手とともに作り上げてきた自分自身が見つかると思います。
関係性とは、どちらか一方ではなく双方で作り上げているものなのです。
相手ではなく、自分自身に目を向けた時に初めて、根本解決へ取り組んでいくことが出来ます。
なぜ、あなたばかりが我慢を重ねなければならないのでしょうか?
ここに疑問や違和感を感じられるようになってくださいね。
「〇〇ハラ」という言葉に縛られないで
「〇〇ハラ」という言葉が、沢山あふれています。
名前を付けることで、理解しやすい、伝えやすいというメリットはあります。
ですが、名前をつけてしまうことで、それに縛られてしまうというデメリットもあるのです。
「これはモラハラでしょうか?フキハラでしょうか?」と言うようなご質問をいただくこともありますが、「〇〇ハラという定義に当てはまるかどうかに縛られないでくださいね。」とお伝えしています。
もしも、モラハラでなかったとしても、あなたの心が苦しいという事実があります。その事実に目を向けていただきたいのです。
円満なパートナーシップの秘訣
〇〇ハラスメントという言葉があまりにも増えすぎて、相手を「〇〇ハラだ」と決めつけてしまうことで、見えなくなっているものがあるなと感じることがあります。
相手がモラハラであったとしても別れたくないあなたへ
相手がモラハラだからといって =離婚 という選択肢を選ばなければならないわけではありません。
離婚か修復か、0か100かで今すぐ結論を出さなければならないということもありません。修復のためにやれるだけのことはやってから考えるという選択もあります。
常に色んな選択肢がある中で、考えが変わっていくことがあってもいいのです。
我慢していることに気が付けていますか?
我慢している環境が当たり前の人にとっては、それが我慢であるという認識も難しくなります。
今ある状況が異常であると気が付けていない人はとても多いです。
自分が我慢していることを認識できていないという方は、沢山いらっしゃいます。
ご相談に来てくださった時点で、何かおかしい、モラハラかも知れないと思えてはいるということですので、気が付けている部分もあるという意味では、正常な思考が少しでもあるうちにご相談に来ていただけて、良かったとほっとしております。
一方で「相談までは必要ない。」「それほどの状況ではない。」と感じている方の状況が、本当にそうであるかということを危惧しております。
状況の深刻さを認識できていないという方は、本当に多いのです。
一人でも多くの方が、まずは認識できるきっかけになれたらと思います。
「相談するほどのことではないかも知れない。」と思うということは、何かしらの苦しさや問題を抱えているということでもあります。
モラハラは家庭内や恋人間でおこりやすい
モラハラは、家庭内や恋人間でおこりやすいのです。
家庭内や恋人と2人きりの空間というのは、第三者の目がとどきにくい環境です。
だからこそ発見も遅くなりやすく、問題が深刻化しやすいという特性があります。
モラハラを受けている人の中には、酷いモラハラを受けているのに、モラハラだと気づかず、自分が悪いのではないかと我慢してしまう人が沢山いらっしゃいます。
モラハラとは、それほど、当人同士の中ではわかりにくいものです。
閉鎖された空間は、相手を洗脳したいと思った時に、使われるやり方でもあります。
家庭内でのモラハラ環境は、自然とそのような環境が作られているのです。長時間の説教もモラハラの定番です。
「閉鎖された空間で、長時間の怒鳴り声を浴びせ、精神的に疲弊される」この状況が、一番洗脳されやすい状況であるということを、まずは知ってください。
限界まで追い込まれた後に、優しくされる場合は、さらに危険です。これを繰り返されることで、脳はその優しさに依存するようになります。
間違った思い込みが強化されていくほど、そこから抜け出すのは難しくなっていきます。
モラハラ被害者さんにとって、最後の課題となるのが、罪悪感の克服です。離れたいのに離れようとしている自分が悪いのではないかと責めてしまう感情はとても苦しいですよね。
家庭内や恋人間で起こるモラハラの15の具体例
モラハラを15の具体例にしてお話していきます。
モラハラと一言でいっても一体どういう行為がモラハラになるのか。
当事者同士しかいない密室(家庭内)で行われるからこそ、客観的な視点が欠け、私の我慢や忍耐が足りないだけではないかと悩む人も多いのが現状です。
「こんな行動もモラハラに当てはまりますよ。」という具体例でお伝えすることで、読んでくださっている皆さんの状況に当てはめてお考えいただきやすいと思います。
①暴言を吐いて人格否定をする
モラハラは、身体的な暴力はないものの、言葉の暴力で相手の心を傷つけます。
「お前は何もできない。」
「もっとまともな大人になれないのか。」
「バカだな。ダメな奴だな。」
「その程度のこともわからないのか。(できないのか。)」
など、人格の否定や存在の否定をしてあなたの心を言葉で傷つけてきます。
人格の否定をくりかえされ、言葉で心を傷つけられ続けると、自尊心が傷ついていき、自分に自信がなくなっていきます。
自分に自信がなくなると、自分の判断に自信がなくなっていくので、自分で決められない、行動できなくなり、ますますモラハラの支配が強まりやすい状況におちいってしまいます。
また、これまでは優しかったという一面があると、最初の暴言は、「たまたま機嫌がとても悪かったのかも知れない。」などと、自分を納得させてしまうこともあります。気が付いたら、いつの間にか暴言の頻度が増えていた、日常化してしまっていたという方がほとんどではないでしょうか?
暴言というのは、とても心に深い傷をつくることがあります。我慢しないでくださいね。
②見下した態度や言葉
モラハラ夫(モラハラ加害者側)は妻や子供(モラハラ被害者側)を見下しています。自分が一番偉く、家族を支配して当然という考え方を持っています。
そして、その価値観を疑うことなく、家族に押し付けてきます。
「俺のいう事を聞け。」「俺が一番偉いんだ。」という状況であることが当たり前で、そうでなければ不満なのです。
幼いころにそのような家庭で育っていると、モラハラ加害者の支配=亭主関白(どこの家庭もそのようなもの)として、受け入れてしまう場合もあります。家庭内での父親という存在の尊重と、妻、子供の卑下というのは、似ているようで全く違うものです。
相手に見下されたり支配されることを当たり前としないでくださいね。
③相手を脅して不安な気持ちにさせる
自分の支配下に置き続けるために、俺のいう事を聞いておかないと大変なことになるぞと刷り込んできます。
「どうなってもいいんだな。」
「俺は知らないぞ。」
「何かあっても全部お前のせいだからな。」
間違ったことをしていなくても、こんなことを言われてしまえば、誰でも不安になるものです。
④平気で嘘をつく
自分を守るため、正当化するためなら、小さい嘘から大きい嘘まで平気でつく人が居ます。
また、嘘をつくことに罪悪感などがなく、平然としているのも特徴です。
人によっては、嘘と現実の区別がつかなくなっていたり、嘘をついたことを忘れていたりもします。
嘘かどうか、というところで相手と戦ってもあまり意味がありません。
⑤自分の非を認めない
自分の間違いを認めようとせず、屁理屈でもなんでもこじつけて、モラハラ被害者が悪いことにし、こちらが謝るまで、執拗に怒り続けます。
絶対に謝りたくはありません。
「自分は謝りたくはないけれど、お前は謝れ」という主張です。
⑥モラハラ被害者を異常に束縛する
友達と遊びに行くのを禁じたり、仕事に行くのを禁じて経済力を奪うことでモラハラ被害者が自分のもとから逃げにくいようにします。
実家に帰ることや、趣味や習い事で外にでるのを制限する人もいます。
モラハラ加害者からの電話に出られないようなことがあると、電話に出るまで何度もコールしてくる人もいます。
携帯の着信履歴にモラハラ加害者の名前がズラッと並ぶ様は、ゾッとするものがありますね。
束縛をするのは、嫉妬心が強いことの表れでもあります。
モラハラ被害者から他の異性の名前や話が出てきただけで不機嫌になる、怒り出す人もいるでしょう。
一方で、モラハラ加害者自身は、仕事や付き合いを理由に、自分は自由に出かけてしまうのです。
⑦生活費を渡さない
働くのを禁じるモラハラ加害者がいる一方で、生活費を渡さず、妻に仕事に行かせて、自分もそのお金を使い込むようなモラハラ加害者もいます。
⑧無視をし続ける
気に入らないことがあると、無視し続けます。
無視をし続けることで、相手を精神的に追い込み、悪くなくても、「私が悪かったのかも」と思い込ませるほど、精神的に疲弊させます。
無視をされている間、被害者は、自分の中に原因を探し、自分を責め続けなくてはなりません。その間、どんどん心は疲弊していきます。
⑨相手の失敗を責め続ける
自分の失敗は棚に上げて、相手の失敗は執拗に責め続けます。
関係のないことまでくっつけて、お前の責任だとしてきます。
ですが、モラハラ加害者のような相手に失敗を責められ続けることで、どんどん自分に自信を失っていきますし、次の失敗が怖くなり、行動が出来なくなっていきます。お客様のお話を聞いていると、そもそも失敗でもなんでもないようなところを、”失敗”だとレッテル貼りをされ、責められているように思います。
⑩態度で相手を威圧する
わざと大きな音を立ててドアを閉めたり、大きな足音を立てて歩いたり、床にある物を蹴飛ばしたりして、怒っているアピールをし、態度で威圧してきます。
これにより、モラハラ被害者側には、強い恐怖心が植え付けられます。
植え付けられた恐怖心というのは、のちにトラウマとなったり、相手と別れてもその恐怖が続くことがあります。
我慢を重ねないでくださいね。
⑪外面がよく第三者の前では愛想よく振舞う
外面がよく、職場やご近所さん、第三者の前ではとても愛想よく振舞い、地域の行事などに参加した際は、積極的に行動します。
そのため、モラハラ被害者がモラハラについて周りに相談しても、信じてもらえないだけでなく、「あんなにいい人なんだから、あなたの努力が足りないんじゃないの?」などと、逆に責められてしまうこともあります。
心の苦しさを感じているのなら、その気持ちに蓋をせず、一度ご相談ください。
モラハラだったんだと知れるだけで、それは大きな一歩なのです。
⑫物に当たる
物を投げたり蹴飛ばす、壁を蹴る、殴ることもあります。
「次は物じゃなくお前だぞ。」という無言の圧力をかけてきます。
また、ドアをバタンと閉めたり、ドスドスと歩くことで怒っていることをアピールします。
時々、「物を投げるだけで、私に暴力をすることはないので、まだマシかなと思います。」と、言われることがありますが、健全な大人であれば、物を投げて脅すということはしません。実際、あなたはしないではないでしょうか?
また、投げた物がぶつかってけがをしたというお話もお聞きします。とても危険な行為です。
怒っていることを態度でアピールしてくるのは、”察しろ”というアピールでもあります。
健全な大人はそのような行為はしません。伝え合うために言葉があるのです。
⑬責任転嫁し人のせいにする
自分に責任があることでも相手のせいだとして、責任転嫁して相手を責めます。
何をしても責められてしまうというのは、とても辛いですね。
⑭ストレスがたまるとイライラし出す
ストレスに弱く、ストレスがたまるとイライラしだします。
モラハラ被害者に八つ当たりをして発散することもあります。
理不尽に怒り出したり、同じことでも夫の機嫌によって怒られたり怒られなかったりするのは、モラハラ加害者の機嫌次第の八つ当たりだと思っていいでしょう。
モラハラ被害者さんは、「何か私に悪いところがあったのではないか。」と自分を責めてしまいますが、ストレスによる八つ当たりは、あなたに問題があったわけではなく、モラハラ加害者に「八つ当たりしたい!」という欲求がたまっている時に、目の前に八つ当たりできる相手がいたから、怒ったというだけです。
ですから、理由を考えこんで自分を責めないでください。そこに理由はないのです。
自分を責めないでくださいね。
⑮離婚や経済力、子供を利用して脅す
「離婚するぞ。」「もう金は渡さない。」「俺より稼いでから言え。」「子供は渡さない。」など、離婚や経済力、子供をたてにして、相手を脅し、いう事を聞かせようとします。
本気でそうしたい、そうできる、と思って言っているというよりも、そう言えばあなたがいうことを聞いてくれて支配できると思っているから言っている可能性があります。
実際、「離婚するぞ」と言われたので、「いいですよ。」と返事をしたら、急に「離婚しない」と言い出した、というご相談もいただきます。
発言に対して、行動が伴っているか、というのが1つの判断基準になってきます。相手が何を言ってくるかではなく、あなたがどうしたいかで決めていけるといいですね。脅しに屈しないためには、毅然とした態度をとり続けることが大事です。
家庭内で起こるモラハラの具体例と恐ろしさ
モラハラの恐ろしさは、それが当人同士しかいない密室で行われることです。
家庭内というのは、その状況が一番容易に作りやすいため、家庭内のモラハラは長期化、深刻化する可能性が高くなります。
モラハラ加害者は外面がよく、周りからは評判が良い人が多いので、自分の前でだけ豹変する相手にに被害者は、本当に自分が悪いんじゃないかと思い込みやすいですし、周りに相談しても、信じてもらえないことが多いです。
また、モラハラは最初はとても優しい人が多いので、”優しい人”のイメージで見ていると、その違和感を感じとりにくく、なんか変だなと思いつつも、やっぱり自分のせいかもしれないと思ってしまいます。
ご相談者さんの中には、「これもモラハラでしょうか?」と、自分の思い過ごしかも知れないと心配される方もいらっしゃいますが、その段階で、もうすでにかなりのモラハラを受けていらっしゃる方ばかりです。
自覚も持てないままに、悩まれている方がとても多くいらっしゃいます。
心が苦しいと思っているそのサインを無視しないでくださいね。
実際にあった家庭内でのモラハラご相談事例
Aさんの事例

「お前は無理だ。」「お前に出来るわけがない。」と否定ばかりされていて、自分に自信がなくなってしまいました。
新しい事を始めよう、挑戦しようと思っていても、いつもこのような言葉を言われて、何もできなくなってしまいます。
また、相手の意にそわないことは、全部禁止されているので、私が、「こうしたい」と思っても、諦めて我慢しなければならないことが沢山あります。
Bさんの事例

夫は、些細なことでカッとなりやすく、頭に血が上ると、手を出すこともあります。
自分の都合ばかり押し付けてきて、私の気持ちを伝えても、否定ばかりで、気持ちを受け入れてくれたことがありません。
大声で怒鳴るのも怖くて、本当はやめて欲しいです。
別れたいという気持ちもあるのですが、そんなことを言ったらどんな仕打ちをされるかと思うと怖くて動けません。
Cさんの事例

束縛が激しく、一日の行動を全て報告させられます。
同窓会などにも一度も参加させてもらったことがありません。
優しい時と、機嫌の悪い時の差が激しく、多重人格なのではないかと思うこともあります。
機嫌が悪い時は、人格を否定されたり、朝まで説教が続くこともあり、精神的にも体力的にもとても疲弊しています。
「浮気」「モラハラ」「DV」「借金」振り返って見ると、なぜかいつも不健全なパートナー
今度こそは良い相手だと思っていたのに、結局いつも不健全なパートナーに苦労をしているという人がいます。
無意識にではありますが、そういう相手の方が、なぜか落ち着く、なぜか魅力的に見える、気が付けばいつもそういう相手を選んでいることがあります。
時々、健全な相手とのご縁が出来そうになっても、そういう人のことは、好きになれない、人によっては嫌悪感を感じてしまう場合もあります。
これまで、不健全な相手ばかり選んできた人にとって、不健全な相手との関係性が居心地が良いのです。
健全な相手は居心地が悪くなってしまうのです。

もしも、これまで不健全な恋愛をしてきているのなら、次の恋愛に進む前に自分と向き合う時間を持ってください。
自分自身の心の問題を解決していかなければ同じ問題の繰り返しになるのです。
不健全な相手を好きになってしまう原因の1つに、依存体質やAC(アダルトチルドレン)があります。
こういった自分の心の問題と向き合っていくことで、不健全な相手に惹かれなくなり、恋愛対象として選ばなくなります。
恋愛だけでなく、友人関係、職場の人間関係、親子関係でも、不健全な人とはきちんと線を引いて付き合えるようになっていきます。
モラハラチェックリスト
モラハラ加害者チェックリスト
- 物を投げたり、ドアをバタンとしめる。
- 大きなため息をついて不機嫌をアピールしてくる。
- 自分の非を認めず、謝らない。
- 命令口調で話してくる。
- 長時間説教される。
- 価値観を押し付けられる。
- 誰かをバカにしていないと自分を保てない。
- 口論になると反論の隙を与えないようにたたみかけてくる。
- 行動を制限されている。
- 責任転嫁してくる。
モラハラ被害者チェック
- 相手のことが怖い。
- 帰宅する時間が近づくとドキドキする。
- 帰宅する足音や玄関のドアの音でビクッとする。
- 電話やLINEが来ると怖い。
- 相手と違う意見を言うのが怖い。
- 相手の機嫌が良いか常に気になる。
- 少しでも相手の機嫌が悪くなりそうになると怖くなる。
- 週末など一日中一緒だと気が張り詰めて疲れる。
- 何かを伝えなければいけない時には、どうすれば相手の機嫌を悪くしないですむか、気をまわしすぎて、伝える前に疲れてしまう。
チェックリストの結果だけにこだわらないでくださいね。
チェックリストはあくまでも目安です。
チェックリストには何も当てはまらなかったとしても、あなたが心の苦しさやモヤモヤを感じているのなら、何かしらの問題があるということです。
よりよい関係性にしていくために、取り組めることが沢山あります。苦しさやモヤモヤを抱えている状態を良しとしないでくださいね。漠然と抱えている問題は、いつか必ず大きな問題となって、はっきりとした形で現れます。
そうなる前に摘み取っていけるのがベストです。
モラハラの具体例や事例から考えるモラハラ対策
モラハラ対策で一番大切なことは、ありのままの相手をしっかり見ることです。
「でも、優しいところもあるんです、、、。」
「昔はこういうところが素敵だったんです、、、。」
これは、”惹きつけ期”のモラハラ加害者の姿かも知れません。
時に優しい一面、素敵な一面を見せてくれることもあるでしょう。
ですが、一方であなたを傷つけている一面もあるのです。
相手の良い部分を過大評価し、相手の悪い部分については目をつぶってしまうことのないように、しっかり相手を見てくださいね。
また、出来れば理解しあいたい、という思いから、頑張って話し合いたいと努力される方も多いですが、話し合いが通じる相手かどうかという問題があります。
残念ながら、話し合って解決したいという思いは、届かないことも多いのです。
人生の前提
誰もが自分の幸せのために生きる権利があります。
「あなたがあなたらしく生きて、笑顔で居ること」
これ以上に大切なことがあるでしょうか。
我慢する環境、責められ続ける環境、否定され続ける環境は、決して当たり前のことではないのです。
ご相談に来てくださるお客様を見ていて思うのは、皆さんそれぞれに素敵な魅力のある方たちばかりなのに、今ある環境のせいで、自分に自信が持てなくなってしまっているのです。
モラハラ加害者は、
- 慎重なのをノロマだと言い元気があるをうるさいと言い
- 笑顔が素敵をへらへらするなと言い
- 周りに優しくすれば八方美人だと言い
- 小さなミスをあり得ないと大騒ぎ
良いところを全部悪く言って、個性やその人らしさを殺していきます。
「他者と違う」
それは、あなたの欠点ではなく個性です。
個性はあなたの魅力です。
否定的な人、支配的な人、暴力的な人が近くにいることで、あなたの個性を欠点だと言われて潰されていく。
私は、それをとても悔しく感じます。
一度きりの人生です。
幸せになることを諦めないでくださいね。