♦頼りがいがあって思いやりのある人だと思っていた。
♦あんなに優しかった人が逆上するなんて私が悪いのかも知れない。
実は、モラハラ加害者の中には、最初はとても優しい人が多いです。
最初から、酷い人だと知って、結婚する人、お付き合いする人は居ません。
素敵な人だと思っていた相手が豹変してしまうからこそ、
その変化に驚き、優しかった時に戻ってくれるのではないかと期待してしまうし、
なんとか楽しかった時のようにうまくやっていきたいと努力するのです。
どんな風にモラハラは、始まっていき、深刻化していくのか。今回は、これについてお話していきます。
モラハラはどのように起きるのか
モラハラの進行段階は、大きく分けて4つの段階で進んでいきます、
これを、【出会い期】、【俺様ストーリー期】、【豹変期】、【日常化期】としてお話していきます。
また、4つの段階は【惹きつけ期】、【洗脳期】、【加害期】の3つにわけることができます。
【惹きつけ期】、【洗脳期】、【加害期】については、下記の記事でふれていますので、合わせてご覧ください。
【出会い期】結婚前、交際初期
モラハラ加害者は、最初はとても優しい人に感じられることが多いです。
自己肯定感の低いタイプの方には、この優しさがとても嬉しく感じられるでしょうし、
人を疑うことを知らないタイプの方は、素直にこの優しさを信じることでしょう。
また、時にモラハラ加害者の自己中心的な一面は、自信があって頼りがいのある人のようにも見えます。
モラハラ加害者にとって、この時期は、相手を【惹きつける】ために、大切な時期です。
そのために、優しくしたり、尽くしたり、時にはロマンスを与えてくれるようなこともあります。
モラハラ加害者、被害者も、加害者や被害者である前に”人”ですから、それぞれに違いがあって当然です。

いつもお伝えしていることですが、「モラハラに当てはまるかどうか」に悩まないでくださいね。
それよりも、あなたの心が苦しいと感じてらっしゃるその気持ちを大事にしてください。
【俺様ストーリー期】可哀そうな過去の出来事を語って相手に信じこませる

最初の出会いで、過去の可哀想な俺ストーリーを語る男がいたら。気をつけてください。
出会った時や、お付き合い初期の段階で、過去の不幸体験や辛かった出来事を、涙ながらに語ったりします。
モラハラ被害者は、面倒見がいいタイプ、相手に尽くすことや世話をやくおとに喜びを感じるタイプが多く(加害者側もそういうタイプを意図して選んでいます。)、こういったストーリーを聞かされると、
- 私が幸せにしてあげなくちゃ
- 私が支えてあげなくちゃ
と、さらに気持ちが深まります。
【豹変期】まるで別人のように豹変することがある
相手の心をしっかりつかんだと確信した時から、モラハラが開始します。
ですが、この段階では毎日モラハラするわけではありません。
最初はたまに、豹変する程度。
今までがとても優しかったこともあり、この段階では、どうしてこんなにも夫(彼)が怒ったり、どなったりするのかわからず、頭が混乱してしまいます。
そして、今まで通り優しい一面も多いので、
「こんな優しい人があんなに怒るなんて、私が悪いのかも知れない。」と、思い込んでしまう被害者も多いのです。
【日常化期】モラハラ被害者が逃げられない状況になればなるほど悪化する
モラハラは何も対策をしなければ、悪化していくことの方が多いです。
結婚や出産など、2人の関係が深まって、モラハラ被害者が簡単に自分のもとを離れられない状況になればなるほど、モラハラ頻度が増えていくでしょう。
また、恋人同士でも、同棲をする、お金の貸し借りをする、結婚を約束するなど、簡単に離れられない関係を作って、モラハラします。
ここまでくると、被害者側は、かなり自尊心も傷つけられ、自己肯定感が下げられ、離れたくても離れられない共依存の状態に陥っている方も少なくないです。
様々なモラハラの手口
家庭内など当人同士しか居ない密室で起きる
夫(彼)が妻(彼女)に対してモラハラをするのは、2人きりの密室のみ(主に家の中)です。
一歩家庭の外に出ると、非常に温厚で人当たりが良く、ご近所の評判も高いなんてことはよくあります。
暴力は振るわない
モラハラ夫(彼氏)は、基本的に暴力はふるいません。つまり頭は、冷静なのです。
どうすれば、あなたの心が傷つくか、あなたを支配し続けられるか、自分の思い通りにことを運べるかをよく考えています。
平気で嘘をつく
自分を守るために、自分に都合よくするためなら、平気で嘘をつきます。
責任転嫁をする
モラハラ夫(彼氏)は、常に自分が正しい、優位にいたいので、平気で責任転嫁してきます。
「全部お前のせいだ。」ということにしてきます。
後出しじゃんけんをする
自分から先に何かをするというよりは、妻の出かたを待って、それを否定するという形で後出しじゃんけんしてきます。
共感性がない
共感性に乏しく、相手が苦しんだり悲しいという気持ちに共感することがあまりありません。
子供も平気で利用してくる
妻を支配下におくために、必要とあらば、子供まで利用してきます。
子供に悪口を吹き込んだり、妻に対して、「子供に〇〇するぞ」と脅してくることもあります。
嫉妬深い
妻が遊びに行ったり、友人と飲みに行くのを禁止する、あるいはよく思わず文句を言ってくる。
また、妻から他の男性の話が出てくるだけでも不機嫌になったりします。
畳みかけるように責め続ける
被害者が返事をしないうちに、どんどん畳みかけて責め続けます。
反論する暇もなく、一方的に押し付けます。
一人で悩まないことが大事
モラハラは多くの場合、上記のような段階をへて、ジワジワと進行していきます。
当事者同士では、無自覚であることが多いのです。
理由がわからずに、苦しさや不安感を抱えている方がとても多くいらっしゃいます。
「もしかしたら、モラハラなのかも知れない。」
「今の状況は、普通のことではないのかも知れない。」と、まずは知って欲しいのです。
そして、何かしらの専門機関へ一度ご相談されてみてください。
もしかすると、ご友人や家族、どこかの機関へ相談してみたけれど、聞いてもらえなかった、あなたの気にしすぎだと言われ、
さらに心が傷ついた経験がある方もいらっしゃるかも知れません。
ですが、普通の状況、普通のご家庭であるならば、
今あなたが抱えている心の苦しさを感じ続けているのはおかしいのではないでしょうか?

あなたの苦しさにはちゃんとした原因がありますよ。
ですから、その苦しさやもやもやが続いているのであれば、勇気を出してもう一度相談してみるという選択肢を持ってみてくださいね。