♦一緒に居ても苦しいだけなのに、離れるのも苦しい。
♦周りに相談できる人がどんどん居なくなってしまった。
♦やっとの思いで逃げたのに、また戻ってしまった。
上記に当てはまっているあなたは、共依存に陥っているかも知れません。
別れた方がいいと頭ではわかっているものの、なぜか別れられない。
もしくは、別れられないと思い込んでいる。
また、やっとの思いで別れた(逃げた)のに、いざ離れると罪悪感に押しつぶされそうになってしまったり、悲しくて涙が止まらなくなってしまう、その辛さから別れた相手のもとへ戻ってしまうという方も沢山いらっしゃいます。
一緒に居るのは苦しい、だけど離れるのも苦しい。
共依存に陥っている人にとっては、依存している相手から離れることは強い恐怖を伴う場合があります。
離れた後にこそ辛さが襲ってくるのも共依存の特徴の1つです。
様々な場面でおこる共依存
共依存とは、”特定の相手との関係に依存しすぎる状態”のことです。
夫婦や恋人関係だけでなく、親子、友人関係などでも起こります。
モラハラのケースで言うと、”支えようと尽くす人” = モラハラ被害者 ということになりますが、”尽くす”というよりは、”耐える”という表現の方がしっくりくる方も多いかも知れません。
モラハラ加害者の理不尽な要求や暴言に”耐える人”です。
モラハラ環境というのは、”モラハラをする人”と”モラハラを耐える人”双方が居て、はじめて成り立ちます。

”耐える人”が居なければ、加害者は加害し続けることが出来ません。
共依存というのは、双方に関係性を継続させている要素があるのです。
共依存に陥っている状態の被害者は、モラハラに耐えることしか、選択肢がないと思い込んでいる場合が多いです。

選択肢がないわけではないのです。選択肢がないと思い込んでいるだけです。
ですが、怖いことに、選択肢がないと思い込んでその生活を続けていると、本当に選択肢がどんどんなくなっていきます。
本当の意味で、選択肢がなくなってしまう前に、少しでも違和感や苦しさを感じた段階で、ご相談ください。
本当に選択肢がなくなってしまってからでは、そこから抜け出すハードルがもっと上がってしまいます。
モラハラ被害者と加害者の共依存
モラハラ被害者と加害者は、共依存になりやすい関係性にあります。
モラハラ被害者は、日常の中で、
「お前は能無しだ。」
「役に立たない。」
「何も出来ない。」
などと、人格否定を繰り返される中で、どんどん自信を失っていきます。
自信を失った結果、誰かに頼らなければ生きていけないという心境になりやすいです。
また、経済的DVを受けているケースだと、物理的にも相手に頼らないと生きていけない状況に追い込まれていきます。
あなたが自信をつけていくのを邪魔する人に注意
あなたが自信をつけていくのを邪魔する人が居ます。
言葉ではあなたのことを応援していると言っているのに、実際にあなたが何かに成功すると「俺(私)のアドバイスがあったおかげだ。」といい、あなたが何かに失敗すると「俺(私)の言うことを聞かなかったからだ。」と言います。
もしくは、「そんなの無理に決まっている。」と挑戦しようとすることさえ邪魔してくる人。
「そんなことやったところで意味がない。」とやろうと思い事を否定してくる人。
こういった人は、あなたが自信をつけていくのを邪魔する人です。
こういった人のいう事を聞いていては、いつまでたっても自信がついていかないですし、逆に自信を失っていくということもあります。
もちろん、あなたを本当の意味で、大切にしてくれる人ではありませんし、健全な相手ではないと言えます。
モラハラ加害者も被害者に依存している
依存しているのは、被害者側だけだと思ってしまう人も多いようですが、実は加害者側も被害者に依存している場合が多いです。
「お前なんか必要ない。「もう離婚だ。」「お前がダメだから一緒に居てやるだけだ。」
このような言葉を言われ続け、自分は相手に依存しているものの夫(彼氏)の方は私のことは必要ないようだと感じているかたもいらっしゃるようですが、ほとんどの場合、加害者側も依存しています。
この場合、普段はそのようなそぶりを見せていないくても、
被害者側がいよいよ勇気をだして別れ(離れ)ようとしだすと、あらゆる手段を使って引き留めにきます。
モラハラ加害者の引き留めの手段として、怒鳴る、脅すというのは、想像しやすいかと思います。これまでも沢山されてきたことですし、怒鳴られる、脅されることを決め手に離れる決心をさらに強めることが出来ます。
しかし、怒鳴るだけではなく、泣きつく、反省する、激しく落ち込むといったこれまでの真逆の態度をとってきた時に、モラハラ被害者さんは、強く罪悪感を刺激され、戻ってしまう方が多いです。
泣きつく、反省する、激しく落ち込む。
これらが、真の反省となり、改善に繋がればいいのですが、多くの場合、一過性のもので終わります。
モラハラ被害者さんは、「信じたのにまた裏切られた。」というやるせなさに、さらに心を痛めていきます。
共依存関係にある相手のことを、冷静に客観的に判断していくのは、とても難しいことです。
これまでも、ずっと悩んできたけれど、関係性が変わらないままになっている方は、一人では状況の判断が難しい状態になっているかと思います。
まずは、一度お話しにいらしてください。
モラハラ被害者が加害者に依存してしまう理由
自尊心が低く、不安を感じやすい、また孤独感を強く持っているタイプも多いモラハラ被害者さんは、自分を苦しめるような相手であっても、一緒に居て欲しいと思ってしまう場合があります。
自分を過度に低く見積もる癖があるので、「こんな私」と思ってしまうことから、幸せを受け取りにくく、どこか問題のある人の方が安心してしまう人も多いです。
(なぜかいつも、問題のある相手ばかり選んでしまうという方は、無意識にこのような思考がはたらいている可能性があります。)
また、問題のある相手の方が、相手に尽くしやすく、世話を焼くことができます。
「必要とされることを必要とする」タイプの方は、自立している人よりも、問題のある人の方がお世話のし甲斐があるのです。
共依存からの脱出方法
共依存から脱出するためには、まずは共依存であるということを自覚することです。
まずは事実を1つ1つ客観的にみていくことから始めます。
理不尽な状況、モラハラ環境にいるのに、それに気が付けずに我慢していたことに気づいていくのです。
もちろん、簡単な事ではありませんから、無理のないペースでゆっくり進めていきます。
事実を確認していく
- 相手はどんな人なのか。
- これまで自分がされてきたこと。
- 例えば「お前のせいだ」とこれまで言われてきたことは、本当にあなたのせいだったのか。
事実を客観的に見れるようになってくると、一歩前へ進みだします。
一人でやる時は、紙に書き出すことがおすすめです。
※辛い時には、無理をしないように注意してくださいね。
物理的に距離をおく
可能であれば、一度物理的に距離をおくのがおすすめです。
いきなり”別れる”という選択をしなくても、恋人であれば、会う頻度や連絡をとる頻度を減らす、ご結婚されている方であれば、一度別居出来るといいのですが、そう簡単には出来ないことでもあるので、出来ない場合は、少しでも相手との心理的距離をおくことを意識してみるといいと思います。
自分の居場所を他にも作る
共依存に陥っている方は、相手のことで頭も心もいっぱいになってしまう傾向があります。
他にも居場所を持ち、自分の世界を広げることで、今の状況だけが全てではないことがわかってきます。
相談出来る場所(人)を持つ
相談出来る場所(人)が居るというだけで、安心感を得ることができます。
また、夫(彼氏)だけではなく、他にもいるんだということを知っていくことが、共依存からの脱出の一歩です。
当事者同士だけの世界にこもればこもるほど、抜け出せなくなっていくのです。
我慢を辞めていく
我慢癖がついている人はとても多いです。
相手が望む自分を演じているうちに、我慢していることにすら気が付けなくなってしまっています。
本来の自分に戻るために、我慢を1つずつ辞めていきましょう。
我慢を辞めていくといっても、我慢していることにすら気が付けていない場合が多いので、難しいとは思いますが、まずは自分はどうしたかったのか?心に聞いていくことから始めるのもいいと思います。
共依存を繰り返さないために大切なこと
共依存は、別れて終わりではありません。
自分自身の依存心や、なぜかいつも酷い相手を選んでしまうその原因の”根っこの部分”と向き合わなければ、せっかく別れても、また同じような人を選んでしまいます。
別れた=もう大丈夫 ではないのです。
依存体質の方は、いつも心に穴が開いているような感覚でいる人が多いです。
その穴を何かでふさぎたいと必死になってしまいます。
ですが、その穴は、外側の何かで埋めることはできません。
自分のことは自分で満たせるようになる。精神的に自立することが幸せへの一歩です。
ですから、別れた後こそ、自分の課題と向き合うチャンスでもあるのです。
依存体質の方は、別れた寂しさに耐えられず、次の相手をすぐに探してしまいます。
ですが、この状況で引き寄せ合った相手は、これまでの酷い相手と根本的に変わらない相手である可能性が高いです。
せっかく別れられたのに、相手を変えてまた同じ苦しみを繰り返すことになってしまいます。

一度、問題の根本の解決に目を向けてください。
幸せな恋愛はその後についてきます。
共依存を克服することであなたが手に入れる未来
共依存の相手と一緒にいることで、一時的には、心の安心感を手に入れたかのような感覚になります。全てが満たされるような気持になることもあります。
ですが、それは健全な形での安心ではないので、すぐに不安が襲ってきてしまうのです。
今の相手と、関係を続けるか、別れるかに関わらず、あなた自身が精神的に自立し、自分で自分を満たせるようになる必要があります。
そうなることで、相手との関係性にも変化がうまれます。
「自分は目の前の相手次第」になってしまっているのを「自分は自分次第」という状況に持っていくのです。
安定した心を手に入れることで、不健全な相手を選ばなくなりますし、不健全な関係を継続しなくなります。
結果的に、「自分が変われば相手も変わる」という状況になることもあります。もしくは、変わらない相手の不健全な関係をきちんと終わらせることが出来るようになります。

相手が変わってくれることを勝手に期待して、自分が変わろうとするのではなく、自分が変わったら、期待してなかったけど、結果的に相手も変わったということです。
外側の状況次第で、手に入ったりなくなったりする、一時的な幸福感や安心感に頼っていると、
それを失う恐怖心に怯え続けることになってしまいます。
自分の心の中に広がる絶対的な幸福感や安心感を手に入れることができるようになっていきましょう。