♦人間関係が安定しない。
♦衝動的な行動にはしりやすい。
♦見捨てられ不安が激しい。
最近では、女性のモラハラも増えてきています。
(増えてきているというよりは、顕在化してきているという表現の方が正しいのかも知れません。)
男性の方が、女性に比べて相談に来ることへのハードルが高いのではないかと感じています。
実際私のところに来てくださったお客様も、こういったご相談が初めてというだけでなく、家族や友人にも一切相談出来ていないという方が多いです。
一人で抱えてしまう分、現状を我慢すればいいという方向で諦めやすく、理不尽なことをされている、問題のある状況であるという判断が遅くなりやすいと感じます。

ギリギリの状況まで我慢されてからご相談に来てくださる方が多いですが、お客様のためにも、出来ればもう少し早い段階で来ていただけたらとの思いを感じてしまいます。
女性のモラハラの場合、その原因の1つに、境界性パーソナリティ障害(境界性人格障害)が隠れている場合があります。
境界性パーソナリティ障害の人は、感情のコントロールが出来ず不安定で、激昂したかと思えば、急に泣き出すなど、周りに居る人はとても振り回されます。
言うまでもなく、普通の家庭の夫婦喧嘩のレベルを超えています。
この記事では、女性のモラハラについて、まとめました。
現状を知ることが、まずは大きな一歩です。
なぜあなたの目の前の女性はヒステリックを起こすのか?
女性のモラハラで悩んでいる男性のほとんどが、相手のヒステリックに頭を抱えているかと思います。
- 「ここ片付けてよ?」
- 「子供のお風呂ぐらいやって」
- 「このくらいやってくれて当然よね?」
- 「なんであなたの実家に行かなくちゃいけないの?」
- 「私の気持ちわかってる?」
- 「茶碗ぐらい洗いなさいよ。」
- 「私ばっかりが悪いっていうの?」
畳みかけられるように次々と投げられるこれらの言葉に、頭がパンクしそうになってないでしょうか?
こうなると、そもそもの始まりの”きっかけ”などは、どうでもよく、ただただ嵐が過ぎ去るのを待つしかないという心境の方も多いかと思います。
お客様の中には、女性は皆こういうものだというようなレッテルをはり、今の状況の異常性に気が付いていないという方も多いです。
これは、男性だけでなく、モラハラ被害を受けている女性にも同じことが起こります。
「女性(男性)は、皆こういうものだ」と、思い込んでしまうのです。

ただ、目の前の相手がそうだというだけなのですよ。
こういった状況にある男性は、最初は甲斐甲斐しく、女性が次々に発する要求を出来る限り受け入れて実行されている方が多く感じます。
しかし、それにも限界があります。
頑張れば頑張るほど、なぜか要求もエスカレートしていき、物理的にも心理的にも限界を超えてしまうのです。
さて、女性がヒステリックを起こす時、例えば「茶碗ぐらい洗ってよ」と怒る時に、その女性が要求しているのは、茶碗を洗う事ではない場合があります。
(ちょっと意味がわからないかも知れませんが、お付き合いください。)
その言葉には、裏メッセージが隠されているかも知れません。
「裏メッセージを察してよ」というコミュニケーションしか出来ない女性の側にもコミュニケーションの取り方の問題はあります。
しかし、もしそこに問題の根本があるのなら、茶碗を洗う前にやることがあるのです。
そういうところのすれ違いから、女性のヒステリックははじまり、夫婦(恋人)間のすれ違いが始まります。
相手のことを、モラハラである、パーソナリティ障害であると決めつけることで、裏メッセージが見えなくなってしまいます。
もちろん、相手の人格が過度に歪んでいる場合もありますので、個別の状況については、別途ご相談ください。
境界性パーソナリティ障害(BPD)(境界性人格障害)とは?
境界性パーソナリティ障害は、境界性人格障害とも呼ばれていますが、現在では、境界性パーソナリティ障害と呼ぶのが主流となっていて、この記事でも境界性パーソナリティ障害という表現でお話していきます。
境界性パーソナリティ障害の人は、感情のコントロールがきかず、度を越した感情の起伏があり、人間関係においても、好きになったかと思えば、些細なことで急に相手のことが嫌いになったりと、極端で、長期的に安定した関係性を作るということが難しい傾向にあります。
些細なことで、尋常ではない怒り方をするので、こういった特徴が、モラハラ的な行動に繋がっています。

双極性障害や発達障害など、似たような症状がある場合もあります。安易な決めつけはせず、疑われる場合は、医師の診断を受けてくださいね。
境界性パーソナリティ障害の5つの特徴
①人間関係の変動が激しく、安定した関係性を作ることができない
恋愛だけでなく、友人関係であったり、職場での人間関係であっても、感情の起伏の激しさから、安定した健全な関係性を作ることが難しい傾向にあります。
少し仲良くなると、過度に期待をしてくっついてくる一方で、些細なことで勝手に幻滅し(自分の理想通りでなかった)、急に冷めてしまい、その関係性を終わらせます。
すんなり終わりにしてくれたらいいのですが、場合によっては、勝手に怒り出して攻撃をしてくるような場合もあります。
良い方向へも悪い方向へも極端な行動をします。
②感情のコントロールがきかず起伏が激しい
「幸せ」「楽しい」と感じていたかと思うと、急に「人生終わり」「自分は何て不幸なんだ」と極端な感情の揺れ動きをします。
激しく怒ったかと思ったら、急に泣き出し、傷つきやすいという一面もあります。
③見捨てられ不安が強い
見捨てられるということに対して、強い不安感を持っているので、見捨てられないために、過剰なほど努力したり相手に尽くします。
友人関係、恋人関係とわず、相手に必要とされたいという思いから、相手に過度に親切にしたりします。
出会った初期は、思いやりのある人、親切な人だと勘違いしてしまう人も居るかも知れません。
しかし、自分が尽くした分だけ、相手からも感謝や愛情がないと満足できず、急に手のひらかえして攻撃してくる場合もあります。
④依存的な行動にはしりやすい
アルコール依存、買い物依存、セックス依存、過食など、依存的な行動にはしりやすいです。
⑤慢性的な空虚感を持っている
どこか心にぽっかりと穴があいているかのような、慢性的な空虚感を持っています。

特徴的なのは、破壊衝動の強さです。
相手を破壊するために、自分自身すら破壊してしまうような怖さがあります。
こういった破壊衝動を感じる場合は、危険ですので出来れば医師の診断を受けるなどの対応をおすすめします。
状況によっては、あなたが支えられる相手ではないという可能性もあります。
境界性パーソナリティ障害の原因
境界性パーソナリティ障害の原因は、様々なものがあります。
- 脳の機能的な原因
- 成育歴
などです。
成育歴については、特に母親の影響は大きいとされています。
虐待やネグレクトにより、母親が愛情をしめしてくれなかった、また母親自身が、鬱や不安障害など精神的に不安定であったなどです。
もちろん、こういった成育歴にあった人の全てが、境界性パーソナリティ障害になるわけではありません。
境界性パーソナリティ障害の人との関り方
これまでお話してきたように、境界性パーソナリティ障害の人は、とても感情の起伏が激しく、周りに居る人は、巻き込まれて振り回されてしまうことが多いです。
衝動的で極端な行動に出ることがあるので、”普通”の感覚でいると、その行動にとても理解できないという感覚かと思います。
職場の人間関係ならば、自然と距離をとっていく、相手にとって心理的に近い存在にならないことがいいかと思います。
夫婦や恋人など、距離の近い付き合いになってしまった方は、振り回されることは多いでしょうし、見捨てられ不安から、あなたへの攻撃はますます強くなる可能性もあります。
自殺企図やほのめかし、また自傷行為をおこなう場合もあり、これらの行動をあなたをコントロールするために使うこともあります。
ここまでくると、とても危険です。
こういった人の側に居る人は、支えなければというある種の義務感であったり、「あなたのせい」という言葉に洗脳されてしまっている可能性もあります。
また、離れることが難しい状況に追い込まれているということもあるかと思います。
しかし、このままではあなたの心が壊れてしまいます。
あなたが精神疾患になってしまう前に離れる方法を考えていきましょう。

いつでもあなたの気持ちに寄り添って、お話を聞かせていただきます。
女性に被害を受けている方にとって、女性が怖い存在であるかのようにイメージが出来上がってしまっている方もいらっしゃいます。
”女性”がそうなのではなく、”今の相手”に問題があったのです。
思いやりがある人、優しい人も沢山います。
私とのお話を通じて、女性に対する間違ったイメージも払拭するきっかけになれたらと思います。
相手を決めつけてしまうことの危険性
夫婦問題を考えていくうえで、境界性パーソナリティー障害にかかわらず、相手が加害者であるという勝手な決めつけには、注意していきましょう。
状況によっては、コミュニケーションのすれ違いで、相手を加害者化させてしまうというケースもあります。
また、相手側からすると、あなたが加害者であると感じられているかも知れません。
特に、夫婦関係の修復・改善を望む場合は、どちらが加害者で被害者かという決めつけでなく、双方に見直していくという姿勢が大事です。
言葉1つ、言い方1つ変えるだけでも、相手への印象というのは大きく変わります。
特に男性からのご相談は、我慢に我慢を重ねてから来られるケースが多いので、
離婚を前提に来られる方が多いのです。
過酷な状況を誰にも相談できず、一人で抱えて悩んでこられたという方がほとんどです。
話せる場所があるというだけで、心はとても救われます。
また、目的ありき(解決策を相談したい等)でなければ、
会話をする必要はないと感じる方がいらっしゃるようですが、
そんなことはありません。
- ただ聞いて欲しい。
- ただ話したい。
何の目的もなく聞いてもらうというところに、癒しや安心が得られます。
こういった会話が出来るようになることが、次のパートナーシップにも活きてきます。